電子回路の第一歩 – 電圧と定格
定格電圧は守らなければならない
第一に守らなければならないのは電圧です。
この守らなければならない電圧の数値は、電子部品の仕様では絶対最大定格と書かれているものです。
この文言からも守らなければならないものであることは伝わると思いますが、これを守らないと故障や破損、動作不良の発生など、保証できない事態を招きますよ、ということです。
この定格には主に電圧や電流等がありますが、最も破損につながりやすいのが電圧です。
電圧を守るために注目すべきは
- 電源電圧を供給するもの/電圧を決めているのがどこか
- 各ICの定格電圧
通常、ICの電圧に合う様に電源を選択します。
12V, 5V, -5V, 3.3V, 2.5V, 1.8 等々、実に色々ありますが、この辺りで主に扱うのは5Vと3.3Vでしょう。
しかし、ACアダプタ等の電源は12Vが多いので、チェックを怠ってはいけません。
ICのGPIO出力にLEDを接続する場合の電圧
ICのGPIO出力にLEDを接続する例を見てみましょう。
ICのGPIO出力電圧が3.3V、LEDの順電圧が2.0Vの場合、電源3.3Vの小さな回路と言えます。
LEDはダイオードという電子素子で、電流の流れる方向が決まっています。
LEDの端子(俗に足と呼びます)は一方をアノード、一方をカソードと呼び、アノードに高い電圧、カソードに低い電圧が掛かるようにすると発光します。
この時アノード~カソード間電圧を順電圧と呼びます。
(電圧の高低が逆転したときのアノード~カソード間電圧を逆電圧と呼びます。)
慣例的に、足の長い方がアノード、短い方がカソードです。
テスターにダイオードをチェックするモードが付いていたら、試してから使用するとよいでしょう。
ただし、LED(発光ダイオード)には対応していない、というテスターもあるので要注意です。
また、長時間点灯させているとその分、テスターの電池を食うので程々に。
LEDとICは直結厳禁
さて接続ですが、GPIO出力ピン→LED→GNDと接続してはいけません。
LEDには電流の定格(越えてはならない値)があるからです。
直接繋いでしまうと、無制限に電流を流すことになります。
実際には、GPIO出力にも出力電流の限界があるので無制限ではないのですが、LED、GPIOのICの双方が危険です。
そこで、抵抗を間に入れます。
抵抗は、掛けられる電圧に応じて電流が変動します。
そして、様々な抵抗値のものがラインナップされています。
LEDの仕様を見てみると数mAの電流を流すと良いことが分かります。
3.3Vの電源に、約2.0VのLEDと抵抗を直列接続するので、抵抗に掛かる電圧は1.3Vです。
1.3V÷1mA=1300Ω、1.3V÷10mA=130Ω。
つまり1.3kΩ~130Ωの抵抗を使えば、LEDが安全に点灯する、という訳です。
1mAはかなり暗いです。基板上で複数ちかちかさせる時に良いくらいの明るさで、
単独で発光させるなら10mAくらいほしいところです。