Armadillo-IoT G3Lを選択した理由

やはり、LTE通信は確認しておかなければなりません。

3G通信で十分というケースも多いですが、画像伝送や色々な仕事を任せるなら、より高速な通信能力が必要になるためです。

というわけで、アットマークテクノのArmadillo-IoT G3Lを入手しました。

 

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IoTデバイスの今とその中身

IoTデバイスの多くは、センサーによる情報収集やユーザの操作をサーバなどに伝えるのが仕事です。
それ自体に大きな処理を任せるのではなく、それぞれのデバイスが行う処理は必要最小限です。

これは、コストとサイズを抑えるためです。

より広範のデータを、あるいは、より細かい箇所のデータをデータ/イベント化し、様々なシステムやサービスに利用するため、コストとサイズを抑えるのは最重要ポイントと言えるでしょう。

技術の進歩とともに、ベンダーの目線も研ぎ澄まされ、ニーズの多様化が進んだことにより、デバイスは手のひらサイズ、そしてコインサイズを実現するに至りました。

既に生活の一部に溶け込んできています。

今、IoTの主役はこういった小さなデバイスと便利なサービスです。
今後、ますます便利さが向上していくことでしょう。

さて、これらのデバイスの中身がどうなっているか、気になる方も多いでしょう。

覗いてみると、非常にシンプルに構成されていることに驚かされます。

そして、更によく見ると、コストパフォーマンスを追及した様々な工夫が見られ、更に驚かされます。

更に、使用されているICを調べてみると、予想よりもスペックが高いことに違和感を覚えます。
一昔前のパソコンで見られた様なスペックです。

センサー一つしか付いてないデバイス。
ボタン1つしか付いてないデバイス。

その中身がパソコン並み?

じゃあ、もっといろいろ機能が付けられるってこと?
なんでこんなチープなの?

…って思いますよね。

いや、今を生きる皆さんは、大体分かるのでしょうか。

パソコンみたいに多機能にするには、モニタやキーボード、様々な接続インターフェースが必要になるので、コストが上がってしまうんですよね。

そんなにゴテゴテとモノを追加していては、センサーやスイッチのデバイスに求められるコスト的ハードルはクリアできません。

逆に言うと、それらのモノを取り払うと、極限までコストを抑えたデバイスが作れるわけです。

すると、もう一つ疑問が浮上します。

その、CPUとかのIC。無駄なスペックを削ればもっと安くなるのでは?

そうですね。
おそらくそうでしょう。

ただし、それには、その低スペックのICを大量生産するだけのニーズが必要です。

無駄なスペックを削ったICは、単機能になるので、融通が利きません。
従って、複数の用途に転用することが難しくなります。

用途が少なくなるということは、生産数が小さくなるので、生産コストが上がってしまいます。

もう一つ、大きな理由があります。

開発コストです。

ソフトウェアの開発コストと流用性

CPU等のICやハードウェアが変わると、それを動かすソフトウェアも変えなければなりません。

デバイス内のソフトウェアを、大きく2つに分けて考えてみましょう。

1.ハードウェアを動かす為のソフトウェア。
2.サービスやシステムと連携するためのソフトウェア。

2は、当然、サービスや機能に応じて、色々と工夫しながら開発する必要があります。
サービスやシステムの根幹となるサーバ側のソフトウェアや、サービスを運用するための様々なものを開発しなければならないですし、これこそが成功の肝ですから、こちらに注力する必要があります。

では、1のソフトウェアはどうでしょう。

実は、このソフトウェア、一から開発しようとすると、大変なんです。

こんなちっぽけなICを動かすのが大変?
なんで?
と思うかもしれません。

先ほど、そのICには一昔前のパソコン並みのスペックがあると言いました。
そのパソコンの中身に詰まったソフトウェアがどれほど膨大なものかは、何となく分かると思います。

そこから、モニタやインターフェースに必要なソフトウェアを除いたら、少しは小さくなるでしょうか?
いや、それらをどれもこれも外せば、ほとんど無くなる?

いいえ。
開発を行うためには、デバイスにデータを送ったり、その中身をのぞいたりするためのインターフェースや機能が必要なのです。
その為、多くのインターフェースを削っても、ハードウェアを制御するためのソフトウェアはあまり小さくなりません。

しかし、今や、似たようなデバイスが世にあふれています。

そのソフトウェアを流用/転用すれば少しは楽できそうです。

そうです。
ハードウェアがある程度同じであれば、流用/転用が可能なのです。

しかし、言うほど簡単ではありません。
ほんの少し違うだけでも同じソフトウェアでは動きません。
気づかないくらいのささやかな違いが、ソフトウェアの誤動作を招き、訳の分からないバグに…(恐ろしい…)

 

開発資産の利用と選択

さて、ちょっとオーバーに書きました。

実際には、中間層であるOSを利用したり、各ICメーカがツールや手法を提供し、開発をサポートしてくれています。

そして、今まで、多くの開発者が、多くの時間を投入し、流用、転用可能な手法やソフトウェアを作ってきました。

その為、それほど無駄に苦労することはありません。

しかし、それは、流用や転用が可能なハードウェア、ソフトウェアを選択しているからです。

 

メーカやベンダーが開発してきたソフトウェアなどは資産と呼ばれます。
それらを流用することで、大幅な開発コストの削減ができるからです。

ハードウェアと直接かかわる部分をBIOS(バイオス)やドライバと呼び、
サーバなどの外部とのインターフェースや機能的な塊をモジュールやミドルウェアと呼び、
それらを載せる土台ともいうべき部分をOSと呼びます。

これらの区分けは、資産を生かすための目安にもなります。

例えば、この製品群のOSはLinuxで統一しよう、とか、この製品のBIOSやドライバは、メーカが提供しているものを利用しよう、とか、サーバとの通信部分はベンダーが販売しているミドルウェアを使おう、という様な形です。

 

ターゲット

またしても前置きが長くなりましたが、今回取り上げるデバイスは、アットマークテクノがリリースしたArmadillo-IoT G3Lという製品です。

CPUにARM、OSにLinuxが採用されているArmadilloシリーズの製品です。

ARMは歴史が長く、これまでも様々なデバイス、コンピュータに採用され、現在も世界を代表するCPUです。

Linuxは、前身であるUNIXからその歴史が長く、加速度的にシェアを伸ばし、世界を席巻しているOSです。

少し前にデモ機をレポートしたArmadillo-IoT G3は、3G通信機能と、拡張スロットが装備されていました。

3G通信もお手軽=Armadillo-IoT試用レポート2

 

今回のArmadillo-IoT G3Lは、3Gを4G-LTE通信機能に変更して、拡張スロットを外してシリアル通信インターフェースだけ残し、コンパクトにまとめた形です。

G3の試用レポートにて、現場投入可能な完成度と、即オリジナルソフトウェアを実装可能なソフトウェア構成が見えました。

しかし、3Gの通信速度には不満が残りました。

もちろん用途次第では3Gで十分ですが、その場合は、他の競合デバイスが他にもあります。

私が、このデバイスの強みと思うのは、内部スペックの高さと汎用性です。

CPUのスペックはもちろん、大きなストレージ/メモリ容量と帯域幅、WiFiと有線LAN、USB、その他のインターフェースとドライバ群。

開発キットと呼ばれる開発専用ボードでは良く見かけるものですが、
量産品かつこの価格帯ではあまり見かけません。

その為、テストや少量生産のプロジェクトにおいて、その要求スペックをクリアする可能性がかなり高いと思いました。

しかし、通信速度は少し引っかかります。

そこで、G3LのLTE通信機能が求められるわけです。

ただし、拡張スロットが無いので、その部分は選択する必要が出てきます。

もう一つ、メーカに選択肢を教えてもらいました。

G3の3G通信をカットしたモデルにサードパーティのLTEモジュールを追加する、という方法です。

これなら迷うことはない、と思ったのですが、残念ながら、即入手というのは難しいという状況でした。

そんなわけで、まずはG3LでLTE通信の実力を確認しつつ、シリアルインターフェースを別の用途に使えないか、試してみようと思います。

Next > 4G-LTE通信テストと…教訓(Armadillo-IoT)

 

アットマークテクノ Armadillo-IoT G3L D1モデル開発セット

Armadillo-IoT G3開発セット
(在庫切れ?代理店/オンラインショップの方が早いかもしれませんね)

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